感情による決断と確率的決断 -ラグビーW杯 日本歴史的勝利に見る-

今回の内容

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「ナポレオンの村」というTVドラマではナポレオンの言葉がよく引用される。

「人生は決断の連続だ」とナポレオンはいったらしいが、ラグビーW杯で日本が南アフリカを逆転で破ったその試合も「決断の連続」だった。

 

この歴史的な勝利の試合でフォーカスしたいのは、試合終了まで残り10分で得たゴール前ペナルティの南アの決断と、試合終了まで残り5分で得たゴール前ペナルティの日本の決断の違い。

得点方法の選択

ラグビーはサッカーと違い、得点方法によって得点が変わる。

 ゴール方法の選択ができるため試合に幅ができる。この選択は基本的にフィールドにいるキャプテンが行う。監督やヘッドコーチと言われる指導者は、試合が始まると試合運営に口出しできない。野球と大きく異なる点だ。

ラグビーW杯のルール

 ラグビーW杯はサッカーW杯同様、リーグ戦上位2チームが決勝トーナメントに進む。つまり予選段階では如何にして勝ち点を落とさないか、相手に勝ち点を与えないかが勝負どころとなる。

決勝トーナメントに進めば、後は夏の甲子園高校野球同様、勝ち上がりとなる。

日本代表の目標

 エディーヘッドコーチは日本代表の目標はベスト8だと言った。つまり決勝トーナメント進出ということ。

これって何を意味するのかな?

南アの意思決定

29:29の同点、試合終了まで残り10分、南アはゴール前でペナルティを得た。選択肢は以下の2つ。

南アのFWは強力で日本人を蹴散らすことは可能。ただ本試合では日本は南アに押し負けていなかった。互角の力技を見せていた。そしてまさかの試合終了間際での同点。

あなたが南アのキャプテンならどちらを選択する?

 

残り時間から考えると、南アがペナルティゴールを選択した判断は、「どちらの選択が勝ち点3に近いか?」という確率論から、正しい選択だった。ルールをよく理解しており、セオリー通りの選択と言える。そして見事にペナルティゴールを決めた。

この時点で南アは3点リード。

日本の意思決定

試合終了まで残り5分。3点ビハインドの日本はゴール前でペナルティを得た。とった選択は・・・、

  • スクラム→トライを取りに行く→5点を得るために

この選択が見事に的中し、南アを撃破する快挙を成し遂げました!

日本中が歓喜(ちょっと言い過ぎ?)でスポーツ誌もワイドショーも夜のニュースも「日本代表すごい!」の連呼。

 

って本当にそれでいいの?

目標を決勝トーナメント進出においているチームがやらないといけないことは何か?というと、もちろん「勝ち点を落とさない、相手に勝ち点をあげない」。

試合中、力が拮抗していた相手に対して、試合終了まで残り5分の状況で、得点ができる確率が低い方を選択するって

  • 「ばくち(博打)」

っていう以外になにかあるかな?

一番大事な場面で「博打」を打つ(=目標にかなってない選択をする)なんて。

憂いと期待

パチンコや競馬でビギナーズラックを経験した人は、「もう一度同じことが起こるのではないか」とのめりこむことがある。

日本代表は今回の南ア戦で大金星をあげた。すごいことをやってのけた。しかしそれが今後の試合中の判断に悪い影響を与えるのではないか、と憂いてしまう。

多くのコメンテーターが言ってるが「ラグビーは番狂わせが起こりにくいスポーツ」だ。

そこから考えると、組み合わせから今後は1勝2敗、トータルで2勝2敗の可能性が高い。

最善のシナリオは、米国戦を確実に勝ち点3、外2試合を引き分けて勝ち点2を取ること。

最悪のシナリオは、残り全敗。

南ア戦は「博打で勝ったもの(負けていた可能性も多分にあった)」と、代表選手全員が認識し、勝ち点を確実に取りに行く、冷静な判断を期待したい。

 

ほなまた!

 

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