読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2016年、流行りの「分析」を仕事にするひとたち

働き方

今回の内容

 
 
 
 ***
 
 

1: 分析という仕事にスポットライトが当たった

2016年、「分析」専門の部署を作る企業が増えてきている。
 
「データサイエンティスト」という言葉をわたしが初めて聞いたのは2012年だった。
更にメディアもブームに乗っかって、2013年頃には「今、最もセクシーな職業」と言われるようになった。
そして2016年の現在、データ分析の経験がある人材が枯渇気味だ。
 
2013年の「セクシーブーム」はデータ分析をウリのひとつにしている企業を直撃。
例えば以下が興味深い。
 
  • 名刺に「データサイエンティスト」と記載するヒトが出てきた
  • 「弊社にはデータサイエンティストが×××人いる」と主張する企業が出てきた
 
「データサイエンティスト」の定義が定まっていない中で、言ったモン勝ち状態。
 
ECサイトの会社はMS Accessでクロス集計ができるヒトが当時400人いたらしく、
 
「データサイエンティストを400人かかえている」
 
とぶち上げた。仲間うちでは「オイオイ・・・」という感じだった。
そんな「データサイエンティスト」ブームが、知るヒトぞ知るところで起こっていた。
 
 

2: 「データ分析」の現場

データ分析をするというのはどんな仕事かというと、貢献できる領域は大きく以下となる。
 
  1. 日常業務におけるデータ分析・レポーティング
  2. 日常起こるアドホックな分析対応
  3. (場合によっては部門を超えて)業務プロセスを分析技術によって変革する
 
これは生産性を考えるとわかりやすい。生産性は、
 
生産性=Output / Input
 
となるが、上記1は、データ加工・分析技術を使ってプロセスをシステム化することで、作業を定型化し、「Input」となる作業時間を減らす効果が期待できる。結果、生産性が上がる。
 
上記2は、分析プロセスが試行錯誤なので、Outputとなる分析結果をより良いものにすること(増やすこと)で生産性の向上を見込む。
 
上記3は、分析方法やデータ保持方法など、新しい仕組みを導入することで生産性を劇的に良くするというイメージだ。これは実現までに時間と費用がかかると思う。
 
「分析専門チーム」が組織内に作られた場合、そのチームは仕事を依頼されて作業を行う社内コンサルティングとなる。そのため、上記3には向くかもしれないが、現場レベルの上記1、2はなじまない。
「分析専門チーム」は、上層部が無知である場合に「成果を出せ」とプレッシャーをかけられている場合がある。
そのため、個別のアドホックな案件(しかも小さい)にスピーディに対応できない(というか「対応しない」)。
 
そのため、わたしの考えとしては、上記3の「分析技術で業務プロセスを変革する」には、「分析専門チーム」が必要だが、上記1、2の最も現場が必要としている業務の変革のために、「各部に分析する人材を配置すべき」という立場をとる。
 
 
そこで、「分析専門チーム」を作る場合を考えてみる。以下の手順かな?
 
  1. 分析専門チームのヘッドを採用
  2. チームメンバーの採用
 
メンバーは何人必要だろうか。
ちなみに、2016年の時点では、既に記載したとおり、市場ニーズがあるスキルなので採用は難しい。
 
仮に採用できたとして、プロセス変革は時間がかかるし、そんなに案件数はない。
人員を遊ばせておくことはできないから、分析スキルを活かした仕事をしてもらう必要がある。
なお、入社してすぐに即戦力になるわけではない。「分析専門チーム」に配属になると、各部に所属するよりも業務知識の吸収に時間がかかるため、より時間がもったいない。
ちなみになぜ各部にいた方が業務知識が吸収しやすいかというと、各部では日常的に業務をこなしているため、そこに入ると必然的に業務を覚える。一方「分析専門チーム」は日常業務として、会社の業務に接していないため業務知識の吸収が難しい。
 
 

3: 「分析」を仕事にするひとたち

「分析」を仕事にするひとたち。そのひとたちを「分析官」と呼ぶ。
 
「データサイエンティスト」は、最近定義が定まってきた感じがある。日本にはデータサイエンティスト協会なる団体があるが、そこの定義は高度すぎる。
 
 
この定義に合致するひとを探しても、日本には数名しかいない。
(「データサイエンティスト」の定義はするが、協会のWebサイトはスマホ対応していない。説得力ないなー。2016/6末時点)
 
ちなみにわたしの周りでは「データサイエンティスト」を名乗るヒトはいなくなった。しいて言えばブレインパッドという会社のひとくらいかな?
やはり「分析官」がしっくりくる。
 
ところで「分析官」とはどんなスキルを持つ、どんなひとたちなのだろう。
 
簡単なところでいうと、「統計解析」を知っていて、データを加工して分析まで行えるひと
 
「分析を行える」とは、対象の仕事や研究分野について、方向性などを提言できること。だから、対象の仕事や研究分野についてよく知っているという前提になる。
統計的結果の読み方がわかるというだけでは「分析した」とはならないので注意が必要だ。
 
40歳より上の分析官には文系出身者も結構いる。社会人になってから統計解析を学び、データ加工技術を身に着けて分析官になっているひとたちだ。
 
ここ数年は理系院卒生で研究職を目指すのをやめたひとたち(院生は増えたけど、職数は増えなかったため糧を探して)が、学生時代に身に着けた分析技術を使って職探しをしている。
それは「データサイエンティスト」ブームが少しの期間、日本でもあったことや、人工知能の技術進歩がすさまじいことも影響しているかもしれない。
とはいえ、数理に詳しいひとが、研究を離れ、営利団体でその知識をフル活用してくれるなら、それは社会にとっていいことじゃないかと思う。
 
文系諸君も物おじせずにがんばってほしいと思う。
 
 

4: 分析官を目指す方へ

分析官は業種によって業務がかなり異なる。製薬会社だと新薬の研究に分析を使うことになるが、銀行だと不正検知かもしれない。通販会社ならば商品を売るためや、マーケティングの仕組みづくりになるかもしれない。
 
どのような業種を選択するにしろ、分析官を目指しているひとは、業務知識を最短で身に着けることを念頭にがんばってほしい。
 
また、集計や統計解析を使った作業は、東京オリンピックのころにはAI(人工知能)にとってかわられているかもしれない。
コンピュータとの親和性が高い職種は、コンピューターがその仕事を行いやすいということだから。何をしていたら生き残れるか、判断する目を養いつつ選択していってください。
 
 

5: 分析専門チームを作りたい企業の上層部の方々へ

分析専門チームを作る価値があるか否かは、真剣に考えることをお勧めする。
 
お気づきのようにデータ分析を業務に取り入れるメリットは、「確からしさ」を補強できることと、意志決定プロセスにPDCAを導入できる可能性が高まることだ。
 
しかし、なまじ分析専門チームを高額で作ったとしても、業務知識がない分析チームのアウトプットは、頓珍漢なものになっていることが多々ある。
結果、次第に現場から「分析専門チームって使えない集団」というレッテルを貼られることになる。
そうなると、適切に使えば効果が期待できるデータ分析を、「効果がないもの」としてミスジャッジしてしまい、改革・変革が遅れることになる。
 
これらのことを考慮して、「分析専門チーム」を作るか、各部門に分析官を配備するか、意志決定することをお勧めする。
 
 
ほなまた!
 
 
広告を非表示にする