組織で使う研修の効果が出にくいのは「具体化抽象化」技術と「実行力」の欠如が原因

今回の内容

 

 

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1: 自分に甘く、他人に厳しく

組織に属していると、新入社員研修に始まっていくつかの研修を受けることになる。

そして管理職やリーダーのポジションになると、研修を管理する立場になる。

研修を管理する立場になると、自身が研修を受ける側の時の状況を棚に上げて、以下のような疑問が出てくる。

 

  • チームには研修の成果が出ていない、なぜだろう?

 

新しいソフトウェアの使い方やプログラミングを学ぶ、というような実学的な研修だと、何ができていないか、という評価はそれほど難しくない。

しかしビジネス研修、管理職研修など知識や考え方を学ぶ場合は評価が難しい。

例えばMBAフォルダーが近年、増加してきているが、すべてのMBAフォルダーは、非MBAフォルダーと比較して、抜きん出ている存在だと評価できるだろうか。

 

実際は、研修を受けても、MBAフォルダーであっても、評価が低いひとがたくさんいる。

その結果、「研修は役に立たない」「MBAフォルダーは偉そうなだけで役に立たない」

といった低い評価が下される場合がある。

しかし本当にそうだろうか。

 

 

2: トレーニングの現場で行うこと

研修を提供する側は、なるべく受講者の身近な話題に近づけた内容にカスタマイズして研修を行う。

MBAコースの場合は、近年流行りのケーススタディを使った講義が多いようだ。受講生はケースの主人公になり切って課題を解決していく。

つまり、受講する側か提供する側のどちらかが歩み寄って、同じ土俵上にいることができるように設計されていることが多い。

参加者は、課題に回答することに没頭できるのだが、思考は研修の中だけで留まってしまう。

 

MBAコースは考えることに時間を使うが、フレームワークの使い方がクローズアップされていることもあり、「どのフレームワークを使うべきか」ということに終始する場合もある。

その結果、研修や授業の中で優秀だったとしても、その優秀さが実際の業務に波及しない。

そこには重要なことが見落とされている。

 

 

3: 鍛える必要があるのは「具体<--->抽象」を行き来する技術

ロジカルシンキングクリティカルシンキングといった考えるための技術は、社会人になったひとなら聞いたことがあるだろう。

これらの研修でフォーカスされるのは、「ロジックツリー」「因果関係図」などのツールだ。ロジックツリーが描けるか?因果関係図を使って要因を特定できるか?。

また周りのひとも「あなたの話はロジカルか?」を問うてくる。

 

しかしここで徹底して行わないといけないトレーニングは、具体的な内容を抽象化する(またその逆も)技術だ。

 

外資コンサルタントについたひとは、「具体-->抽象」「抽象-->具体」の行き来ができるように徹底的に訓練されるようだ。

ではなぜ、「具体-->抽象」「抽象-->具体」を行き来する技術が必要なのか。

 

研修や授業で扱う内容は、非常に具体的だ。それは具体的な例を使った方が、聞き手にとって理解しやすいからだ。

受講した側のひとは、以下のステップを踏むことで初めて研修や授業の内容を自身の業務に活かすことができるようになる。

 

  1. 自身の仕事(具体的な内容)を抽象化し、自身の仕事を構造的に理解する
  2. 研修や授業で学んだ内容(具体)を抽象化して構造を理解する
  3. 1と2のそれぞれ抽象化したもの同士を比較して、仕事のどの部分に研修内容を活かすと良いか、考える
  4. 抽象化されたレベルで考えた内容を、自身の業務に実際にあてこむために、具体化する

 

しかし、研修内容を報告をする際、受講内容内容を忠実に報告するだけなら、抽象化・具体化の技術が不十分と考えてよいだろう。

また研修内容をそのまま業務に当てている場合もしかりだ。

 

事実だけの報告は「具体的な内容を理解した」で止まっている。そこから内容の抽象化を経て、実務への具体的反映がなされなければ「受講した」どまりだ。

また、研修内容をそのまま業務に当てはめている場合、習ったことを行う実行力は賞賛に値するが、「点」の理解であるため応用が利かない。

 

深い理解が出来ているという状態は、応用が利くレベルで理解できているということだ。

それは、具体的な内容を理解し、内容の抽象度合いを高めて理解し、類似した状況にも応用できるという理解になる。

 

 

4: 組織がサポートすべきは「研修内容を行動に移す仕組み作り」

学んだ内容は実際に行動に反映されて初めて効果を発揮する。

考え方や知識を学ぶ場合、その効果が現れるまでに時間がかかる。しかもゆっくり現れるので、変化が分かりにくいという欠点がある。

しかしこれらの研修を「役に立たない」と考えるのは間違っている。

組織として、受講者が研修成果を業務に活かしてもらうための仕掛けを作る必要がある。

 

行わなければならないのは、

 

  1. 受講者の業務の抽象化のサポート
  2. 次に、受講者が学んだ内容を抽象化して理解・応用するためのサポート
  3. そして抽象的な学んだ内容から実業務への具体的な落し込みのサポート
  4. 学んだことが業務に定着しているか、チェックすること

 

手間がかかるサポートではあるが、この方法論を受講者だったひとが身に着けることができたら、その人材は別のひとに同じサポートをしてあげることができる。

 

好循環な状況を生み出すことができることを願っている。

 

ほなまた!

 

 

 

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